見た目が違う「椿餅」のルーツは

会津で見つけた、見た目が違うけど、同じ名前の「椿餅」を紹介します。
tubakimoti02.jpg
1月10日、会津若松市の十日市で、「椿餅」と言う和菓子を見つけて、買って食べました。
売っていた店は、大町の「伊勢屋」です。
大きく作って、切った物をパックに入れて売っていました。
ふだんから営業している店ですが、十日市の時は、お客さんが多く、飛ぶように売れていました。
これが、「椿餅」との最初の出会いです。

先日、会津のお菓子屋さん「太郎庵」に行くと、何と「椿餅」が売っています。
tubakimoti06.jpg
名前は、同じ椿餅ですが、見た目がぜんぜん違います。

さて、これは、同じ物なのか、違う物なのか。
食べ比べをしてみました。
伊勢屋の椿餅は、
tubakimoti04.jpg
食感は、ねっとりしていて、口の中で溶けます。
がんづきのような、ゆべしのような。
しょうゆ味で、甘さがあります。
表面に付いているクルミが香ばしくて、アクセントになっています。

太郎庵の椿餅は、
tubakimoti10.jpg
餅の上下に、2枚の椿の葉が付いています。
くるみ入りのしょうゆ餅で粒あんを包み、椿の葉ではさんであります。
みそ味の餅は、ねとねとで、ゆべしの食感です。
甘くてしょっぱくて、酒粕の風味があります。
粒あんの中に、クルミが混ざっていて、餅といっしょに食べるとおいしいです。

餅の食感と味が似ていますが、形や材料は、違います。

「椿餅」とは? 調べてみました。

tubakimoti09.jpg

平安時代に書かれた「源氏物語」の中に、若い人々が蹴鞠のあと、梨・柑橘類や椿餅などを食べる場面が出てきます。

このことから、椿餅は、古い歴史がある和菓子だと言えます。

しかし、当時は、甘い小豆あんなどはまだなく、甘味は生地に甘葛 (あまづら:つたの汁を煮詰めたもの) を入れる程度で、現在とは違う味だったと考えられます。


元祖椿餅を掲げている伊勢屋は、どんな店なのでしょうか。

tubakimoti01.jpg

1590年、伊勢松坂城主だった蒲生氏郷が会津に移封されます。

その時に、一緒に移動してきたお菓子屋が、伊勢屋の始まりで、屋号を「伊勢屋」にしたようです。

150年前の戊辰戦争で店が焼失してしまったため、創業年など以前の資料が残っておらず正確はありませんが、現在の店主は、9代目で、200年以上は、続いていると言うことです。

伊勢で作っていた椿餅を、420年前に会津に来てからも作り続けていると考えると、伊勢屋の椿餅は、平安時代の椿餅に近いのかもしれません。


2つの椿餅は、同じルーツではないでしょうか。

伊勢屋の椿餅は、昔ながらの材料、作り方で、あんこは入っていない、形が変わって、椿の葉がなくなった。

tubakimoti03.jpg


太郎庵の椿餅は、餅の形で、椿の葉が付いているが、あんこを入れて、おいしくした。

tubakimoti07.jpg


どちらの椿餅も、それぞれおいしいです。

会津の人は、どちらのお菓子を椿餅だと思っているのでしょうか。

2月に食べるお菓子ということで、季節の味を楽しみたいです。




よかったらこちらをクリック


ご当地グルメランキング

福島県ランキング

プロフィール

新会津人

Author:新会津人
新会津人のブログへようこそ!

ランキング参加中
応援おねがいします
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
見た人
最新コメント
リンク
QRコード
QR