毎日がフェーン現象 会津盆地の夏は暑い
9月になり、暑い夏がやっと終わったかなというこの頃です。

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福島県内も暑い日が続いていましたが、どのくらい暑かったのか、福島市と会津若松市のデータを比べてみました。
夏の暑さの比較ということで、日中の最高気温と風向きを比べました。
使ったデータは、気象庁のアメダスの福島市と会津若松市のデータです。
梅雨明けしたとみられる、2019年7月21日から、
最高気温が30度を下回った、2019年8月21日までの32日間です。
グラフの赤線は、会津若松市の最高気温、
青線は、福島市の最高気温です。
オレンジ色の矢印は、北西風が吹いた日、
青色の矢印は、北東風が吹いた日です。
全体的に、会津若松市の方が、福島市より高いことが分かります。
30度以上の真夏日
会津若松市・・・29日
福島市・・・・・24日
35度以上の猛暑日
会津若松市・・・17日
福島市・・・・・14日
会津若松市>福島市・・・17日(32日中)
なぜ、会津若松市の方が、福島市より暑いのでしょう。
会津若松市は、周りを山に囲まれた会津盆地の中にあります。
福島県内では、西の方ですが、太平洋と日本海の間とみると、真ん中になります。
そして、東には、吾妻山、西には、飯豊山と、2000m級の山があります。
この場所と、地形が、フェーン現象を起こしているのでは、と考えました。
フェーン現象とは、
新潟気象台の図で説明します。
海から吹いてきた風が、高い山に当たると、雲ができて雨を降らせます。
風は、山を越えて吹いていくと、乾燥した下降気流になって、熱い風になります。
これを会津盆地にあてはめてみると、
太平洋側から北東の風が吹くと、福島県の浜通り地方は、雲が多く、低温になって、雨が降ります。
阿武隈山地は、低いので、福島市周辺では、雲が多い状態が続きます。
北東風が吾妻山を越えると、乾燥して熱くなり、会津盆地の気温を上げます。
これが、北東風によるフェーン現象です。
気温データで差が大きい日を取り出します。
7月23日 福島 24.8度 会津若松 31.9度 △7.1度
8月4日 福島 32.5度 会津若松 37.0度 △4.5度
8月11日 福島 27.8度 会津若松 34.1度 △6.3度
8月14日 福島 27.6度 会津若松 35.5度 △7.9度
北西風では、どうでしょう。
日本海側、新潟の方から吹いてくる北西の風は、飯豊山を越えて、熱い風になります。
やはり、会津盆地はフェーン現象になります。
ただし、北西風は、吾妻山を越えて、福島にもフェーン現象を起こすので、気温は、福島の方が高くなります。
7月29日 会津若松 32.1度 福島 35.4度 △3.3度
7月31日 会津若松 34.1度 福島 36.1度 △2.0度
8月17日 会津若松 32.6度 福島 35.1度 △2.5度
北東風でも、北西風でも、フェーン現象が起こるのが、会津盆地なのです。
比較的海に近い福島では、北東風で低温になりますが、
海から遠い会津盆地は、北西風のときの福島との温度差は、小さいのです。
風向きが変わっても、高温の日が続く会津盆地の夏は、両方向からのフェーン現象だったのです。
このおかげで、会津盆地の米がおいしく稔るのでしょう。
昔から豊かな会津盆地です。
おいしい米があります↓
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